特別支援学校ってどんなところ?

「特別支援学校」という言葉を耳にしたことはあっても、実際にどんな学校なのかはイメージしにくい方が多いと思います。

私は小学校の特別支援学級で担任をしていますが、保護者の方から、

  • 「支援学校と支援学級ってどう違うの?」
  • 「うちの子は将来どちらに進むのがよいの?」

といったご相談を受けることがあります。

この記事では、特別支援教育コーディネーターとして特別支援学校と小学校の架け橋をしている経験から、保護者の方との面談や進路相談で話題になる「特別支援学校ってどんなところ?」をわかりやすく整理してみます。

目次

特別支援学校とは?

文部科学省では、特別支援学校を次のように位置づけています。

視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱など、障害のある子どもに対して、一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育を行う学校

簡単に言うと、 子どもの障害特性に応じて、より専門的で個別的な教育を行う場です。

特別支援学級との違い

特別支援学校と特別支援学級は、混同されやすいですが仕組みが異なります。

  • 特別支援学級(支援級)
    小学校や中学校の中に設置されている「少人数のクラス」。
    必要に応じて通常学級と行き来することも可能。

    支援学級は、個人個人に合わせた学習を行う場所です。
  • 特別支援学校
    学校そのものが支援のために設置されており、カリキュラムや環境が全面的に特別支援仕様になっている。
    医療的ケアや生活面での支援が手厚い場合もある。

    支援学校は、社会生活に向けた文字文字自立を目指して学ぶ場所です。

特別支援学校での学び

支援学校の学びの特徴は次のようなものです。

  • 生活に直結する学習が中心
    調理、買い物、職業体験などを通じて、自立や社会参加に必要な力を育てる。
  • 専門性の高いサポート
    理学療法士や作業療法士など、医療やリハビリの専門家が関わる場合がある。
  • 少人数・個別対応
    子ども一人ひとりのペースに合わせた指導がしやすい環境。

どんな子が通うの?

一概には言えませんが、よく見られるケースを挙げると次のようになります。

  • 知的障害が中度〜重度で、学習よりも生活面のサポートが中心になる子
  • 医療的ケア(吸引、胃ろうなど)が日常的に必要な子
  • 支援学級では対応が難しいほど、きめ細やかなサポートを必要とする子

注意点

小学校から特別支援学校へ入った場合に、そのまま中学、高校も特別支援学校へ上がることがほとんどです。
特別支援学校の高等部を卒業しても、高校卒業の資格はもらえません。
なぜなら、特別支援学校は、学習よりも「社会に出る」「自立する」ことを目的とした教育内容だからです。
そのため、高校卒業の資格が欲しい場合には、中学の特別支援学級から高校進学を目指すことが必要になります。

また、特別支援学校の数は増加傾向ですが、多くはありません。そのため、自宅から遠い学校へと通学しなくてはいけなくなってしまう場合もありますので、よく確認をしましょう。

まとめ

特別支援学校は、より専門的・個別的なサポートを受けられる学びの場です。

私は支援学級の担任なので、実際の支援学校での細かい授業内容は先生方に譲る部分もありますが、保護者の方と進路を考える際にお伝えしているのは次の点です。

  • 支援学校は「生活力や社会参加に直結する学び」が中心
  • 医療的・生活的な支援が必要な子にはとても有効

「支援学級」と「支援学校」、どちらが合っているかはお子さんによって違います。ぜひ見学や相談を通じて、納得のいく選択をしていただければと思います。

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