「自立活動」という授業名を耳にしたことはありませんか?
支援学級の説明で聞いたことがある方もいると思いますし、すでにお子さんが支援学級に在籍している保護者の方でも、「実はよくわからないんです…」という声をよく耳にします。
この記事では、現役特別支援学級担任の経験をもとに、自立活動の目的・内容・家庭での活かし方についてわかりやすく解説します。
自立活動とは?
文部科学省は自立活動を次のように説明しています。
学校教育を通して、児童生徒が障害による学習上または生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な力を養い、心身の調和的な発達の基盤を培うことによって、自立を目指すもの。
簡単に言うと、
「自分の力を最大限に発揮して、より良く生きる力を身につける学び」が自立活動です。
自立活動の6つの領域
自立活動は大きく6つの領域に分けられ、その中でさらに27の細かい項目に分かれています。
自立活動の具体的な活動例
自立活動にはさまざまな活動がありますが、例として以下のようなものがあります。
1健康の保持
・自分の障害について理解を深める
・衣服の着脱や片付け
2心理的な安定
・気持ちを落ち着ける方法を覚える
・場面に応じた行動練習
3人間関係の形成
・集団での活動 ・会話の練習
4環境の把握
・音や光への慣れ ・見る、聞く感覚を育てる
5身体の動き
・手先のトレーニング ・姿勢保持や運動練習
6コミュニケーション
・気持ちを伝える練習
・場面に応じた言葉の使い方
これらはすべてを行うのではなく、一人一人の課題に合わせて計画されるのが大きな特徴です。また、活動の内容も担任によってさまざまな工夫がされます。
家庭でできること
まずは担任の先生に「どんな内容に取り組んでいますか?」と聞いてみましょう。
その上で、家庭でもできることを少しずつ取り入れるのがおすすめです。
- 気持ちの落ち着け方(深呼吸、休憩の工夫など)
- 身の回りの整理整頓
- 着替えや靴紐結び、ボタン留めの練習
- 文房具の使い方 等
上記のように、特別な道具がなくても実践できるものもあります。
学校と家庭で取り組みをつなげることで、子どもの力は大きく伸びていきます。
まとめ
自立活動は、ただの特別な授業ではありません。
「子どもが自分らしく、より良く生きる力を育てる時間」です。
家庭と学校が協力し合えば、子どもの成長はさらに加速します。
できることから少しずつ取り組み、お子さんの可能性を広げていきましょう。