「特別支援学級」と「特別支援学校」。
言葉の違いは一文字ですが、実際の違いは大きく、どちらを選ぶかで子どもの学校生活は大きく変わります。
私は小学校の特別支援学級を担任していますが、保護者の方から「違いがよくわからない」という相談を受けることがあります。
この記事では、現場での経験も踏まえて、特別支援学級と特別支援学校の違いと、それぞれに向いている子どもの目安をわかりやすく整理していきます。
目次
特別支援学級とは
特別支援学級は、地域の小・中学校に設置されている「少人数のクラス」です。
特徴
- 担任の先生が常に少人数で関わる
⇨クラスの上限は8人までで1クラスに1人の担任がいます。 - 子どもの状態に合わせて学習内容を調整できる
⇨知的の遅れがない場合、基本的には通常学級と同じ学習内容を学びます。
進め方やスピードなどは、子どもの状態や発達に合わせて担任が考えます。 - 音楽・体育など一部の授業は通常学級で学ぶことも可能
- 行事(運動会・遠足・卒業式など)は通常学級の友達と一緒に参加
💡 実際の現場では、支援学級の先生が必ずしも「特別支援学校の免許」を持っているわけではありません。専門性の深さには差があるので、担任との相談や連携がとても大切です。
特別支援学校とは
特別支援学校は、障害種別に応じて設置された「専門性の高い学校」です。
特徴
- 知的障害・視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・病弱など特徴に合わせた学校の種類がある
- 教室には担任+副担任など複数の先生が配置される
- 専門知識を持つ先生や支援員が多数在籍
- 学習だけでなく生活自立・社会参加に直結する内容を重視
- 医療的ケアに対応できる場合もある
- 高等部や卒業後の進路につながる支援が整っている
どんな子に合う?目安の考え
特別支援学級が向いているケース
- 通常学級では少し難しさを感じる
- 一部は通常学級の子と一緒に過ごせる
- 地域の学校に通わせたい
特別支援学校が向いているケース
- 医療的ケアや生活支援が日常的に必要
- 学校生活全般に個別のサポートが必要
- 将来的に社会で自立するために、専門的な教育を受けたい
保護者ができること
どちらにするか迷ったときには、以下のような機関に相談するのがおすすめです。
- 教育委員会や市町村の相談窓口
- 発達相談センター
- かかりつけの医師
もし特別支援学校が候補に入ってきたら、学校を見学してみることをおすすめします。
実際に校舎や授業を見て、「ここなら安心して学べそう」と思える場所を選ぶことが一番です。
まとめ|大切なのは「子どもに合った環境」
- 特別支援学級 → 地域の学校で少人数サポートを受けられる
- 特別支援学校 → 専門性の高い教育と生活支援を受けられる
どちらが正解ということはありません。
現場で担任をしていても強く感じるのは、学校の種類ではなく、その子に合った環境を選ぶことが一番の支援になるということです。
お子さんの将来を見据えながら、家庭と学校、専門機関が連携して最適な環境を整えていきましょう。