〜時間割・教室・授業の3つの視点で
わかりやすく紹介〜
「特別支援学級と通常学級ってどう違うの?」と感じている方へ
「うちの子、特別支援学級のほうがいいかもって言われたけど….」
「特別支援学級って、通常学級とどんなふうに違うの?」
このような不安や疑問を抱えている保護者の方は少なくありません。
この記事では、現役で特別支援学級を担任している立場から、通常学級との主な違いを3つの視点から解説します。
1.時間割の違い
2.教室環境の違い
3.授業スタイルの違い
支援学級を検討さている保護者の方に少しでも安心と理解が届くようにリアルな日常をお伝えします。
1.時間割の違い| 一人ひとりに合わせた柔軟なスケジュール
まず、お伝えしたいのが、時間割は学校によって異なるという前提です。
■支援学級では「見通し」を大切にした流れが基本
特別支援学級では、子どもが安心して生活できるように、毎日ほぼ同じ流れで時間割が組まれることが望ましいとされています。
例:
・朝の会→体操→1時間目は毎日国語や生活単元などの同じ教科
これは、予測できる環境が落ち着いた生活につながるとされているためです。
■個別に異なる時間割も
ただし、児童によっては通常学級で一部教科を受けることもあります。
例:図工や体育など、得意な教科を6年1組で受ける
→このような通常学級を「親学級」「交流学級」と
呼ぶ場合もあります。(地域差あり)
そのため、一人ひとりに合わせた柔軟な時間割が組まれており、全員が同じスケジュールで動くわけではありません。
よって、上記のような基本的な流れが組めない場合も多々あります。
■支援学級ならではの授業科目も
・生活単元学習 ・自立活動
これらは、通常学級にはない、特別支援学級ならでの教科です。
(※詳しい内容は別記事で紹介予定です)
2.教室環境の違い| 広さと工夫で
「安心・集中」をサポート
特別支援学級の教室には、通常学級と異なる点が多くあります。
◾️教室は最大8人まで
支援学級には、1クラス最大8人までという決まりがあります。
それゆえに、机の数も少なく、教室を比較的ゆったり使うことができます。
◾️収納がしやすいような工夫
私の学校では、ロッカーを一人で6つ使っています。
とても多いと思われるかもしれませんが、整理整頓が苦手な児童にとっては、「しまう場所がはっきり分かれていること」が生活のしやすさにつながるからです。
◾️パーテーションで集中力を高める
・子ども同士の距離を調整する
・周囲の視覚刺激を減らす
・静かな環境で落ち着いて学ぶ
これらの理由から、ある程度人数のいる支援学級にはパーテーションがあることが多いです。
他にも、着替えをするのに使ったり、興奮してしまった後のクールダウンでも使ったりと何かと出番が多いですね。
◾️ 通常学級にはない様々な教材
時間割編でお話した「自立活動」では、いろいろなものを駆使して授業を行います。
・大きなバランスボール ・バランスボード
・トランポリン ・トランプ ・オセロ
・パズル などなど
これらは全て、目的を持って使用される教材であり、遊び道具ではありません。
(クラスで行うお楽しみ会で使うことはあります。)
教室にも地域や学校によって違いはあるとは思いますが、私が所属する学校には以上のような特色があります。
3.授業スタイルの違い| 個別・少人数
だからこそできる支援
先ほど、クラスの人数は最高でも8人と書きましたが、子ども8人と先生1人の一斉授業という形は少ないように思います。
学校や地域によっても異なりますが、ある程度クラスに人数がいれば補助員が加配されるので、大人の手が増え、手厚い指導が受けられます。
◾️学び方も個別対応
通常の一斉指導とは異なり、少人数であっても個人で別々のことを学習している場合もあります。
(学年が異なったりや個人のレベルに合わせたりして学習を進めるため)
・教科書を使って、通常学級に近い内容を学ぶ子
・プリントやワークで基礎的な学びを重視する子
どのような進め方にするかは、本人の特性や保護者の希望と相談のうえで決めて行きます。
授業の進め方も、児童によって異なります。本人の得意不得意や性格を考慮し、保護者の方と相談しながら決めていきます。
また、得意な教科は通常学級で学ぶなどの「交流授業」も取り入れられます。
これもまた、保護者と相談しながら児童の負担になリすぎず、大人数の中でも学習が身につくであろうと判断した教科を交流することになります。
まとめ|支援学級は「できる」を
増やす場
特別支援学級は一人一人の得意・苦手に合わせたアプローチができる環境です。
最初は難しく感じても、丁寧に関わることで「できること」をを少しずつ増やしていける。
それが支援学級の大きな魅力であり、意義でもあります。
もちろん、学校や地域によって取り組みには違いがあります。今回紹介したのは、あくまでも一例です。
もし「うちの子に合うのかな?」と気になったら、見学や体験を希望することも可能です。
まずは、担任の先生や学校の先生に一言相談してみてください。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。